YOMIURI ONLINE(読売新聞)の医療ルネサンス にありました。
胸水を排出、生存率向上(2006年11月9日) 国内初 子宮外で開胸手術。(2006年11月10日) 胎児治療のシャント術って?「実施中の高度先進医療について」(筑波大学附属病院)の中に書かれてあります。 胎児胸腔-羊水腔シャントチューブ留置術についても書いてあります。 「胎児尿路-羊水腔シャント術」についてなんですが、 胎児尿路-羊水腔シャント術 マロンママの気持ちはちょっと複雑です。 まあ、タルが受けれなかったというのもあるんですが、 医療の進歩によって、 お腹の中で、赤ちゃんの病気が早期にわかって、 上のような胎児治療ができるのも事実ですが、 逆に、今の医学では無理だと言われ、人口死産をすすめられるのも事実。 同じ命にはかわらないのに、 命の選別を、親の意思に関係なく医療サイドがするということ。 だから、複雑なんです… つけたしです。 後で気がついたんですが、 胎児治療として 次の記事もありました。参考までに 超音波検査で早期発見 (2006年11月8日) 母体に投薬 不整脈改善 (2006年11月7日) 胎盤正常化し双子出産 (2006年11月6日) 日本胎児治療学会(http://fetus.umin.jp/)もあるらしいです。 胸水を排出、生存率向上(2006年11月9日 読売新聞) 1996年春、妊娠7か月の赤ちゃんを診察した福岡市の九州大病院周産母子センター講師の月森清巳(きよみ)さん(46)の表情は急に険しくなった。 胎児の胸腔(きょうくう)にたまった胸水が、肺や心臓を圧迫する「胎児胸水」。しかも、このため肺の成長が不十分だった。 「このままでは、心不全を起こして亡くなる危険性がある」 妊婦健診の超音波検査で見つかり、全国で年間600人以上生まれるとされるが、原因がわからないものも多い。この母親(29)も、自宅近くの産科医院で異常を指摘され、月森さんを紹介された。 月森さんはこれまで、胎児胸水で亡くなった胎児を何人も見てきた。せっかく生まれても脳への血流不足から発達障害が現れることもあった。 「なんとか、元気に産ませてあげたい」 すぐに、直径2ミリほどの針を母親のおなかに刺し、胎児の胸水を吸引する治療を行った。 しかし、1、2日後には再びたまってしまう。何度か吸引を繰り返したが、効果は薄い。月森さんは「このままでは命を救えない」と判断。胎児胸水とわかって2週間後、新しい胎児治療に踏み切った。 胎児の胸に、直径約2ミリ、長さ約4センチほどの特殊な管を刺し入れて留置し、胸水を子宮内の羊水へと排出させるシャント(短絡)術だ。 超音波画像で胎児の状況を見ながら、母親の腹部から専用の針を刺し、その先端に取り付けたシャント器具を胎児の胸にセットする。治療時間は約30分。赤ちゃんは治療後、胸水が減り、妊娠8か月目に生まれた。管は出産直後に抜く。 この赤ちゃんは今、小学4年生となり、発達障害もなく、元気に学校に通っている。 胎児胸水を治療しないと生存率は20%ほどで、生まれても発達障害が半数に残るとされる。月森さんらが一昨年までにシャント術や胸水の吸引治療を行った胎児では、生存率は44%に上がり、知能は7割で正常だった。 月森さんは「このシャント術は救命だけでなく、生まれた後の障害を減らす効果もある」と意義を語る。 胎児へのシャント術は、尿道が生まれつき詰まっているため腎機能が悪化する閉塞(へいそく)性尿路疾患などで、尿を膀胱(ぼうこう)から羊水へ排出する治療でも行われている。 まだ治療実績が少ない胎児治療は保険で認められていない。より安全かつ有効な手法を確立して保険医療へつなげる努力が医療者に求められる。 シャント術 胎児胸水などシャント術は、国立循環器病センター(大阪府吹田市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)などでは、医療費に一部保険が使える先進医療制度に認められている。治療自体は、周産期医療の専門施設や大学病院の一部で行われている。 国内初 子宮外で開胸手術(2006年11月10日 読売新聞) 「七海(ななみ)」と名前を決めたのは、胎児の性別が女の子と分かった妊娠5か月ころだ。埼玉県のC子さん(29)夫妻は七つの海を越えて自由に飛び回るような子に育てとの願いを込めた。 その1か月半後の2003年6月初め。七海ちゃんのおなかに水がたまる異常が見つかり、県内の病院で精密検査を受けた。 「赤ちゃんが元気に生まれる確率は1、2%しかない難しい病気です」。医師に宣告され、大きな衝撃を受けた。 胸の半分を占める大きな腫瘍(しゅよう)ができて心臓や肺を圧迫し、心不全を起こすなど危険な状態にあった。胎児治療に取り組む国立成育医療センター(東京都世田谷区)を紹介され、すぐに転院した。 診察した特殊診療部長の千葉敏雄さんは病状の重さに青ざめた。このままではほぼ100%亡くなるが、経過をみるか。それとも、すぐに出産させ、未熟児を治療するか。しかし、この方法も、心不全や脳内出血の危険性があり、救命できるか分からない。 そして最後の方法は胎児治療だ。母親の下腹部を縦に切って子宮を開き、胎児の左上半身だけ露出させて胸を切開。腫瘍を取り除き、胸を縫合した後に再び胎児を子宮に戻し、発育させてから出産させる。 米国では、この方法により50~60%の確率で胎児が無事に生まれているが、日本では1例も経験がない。 千葉さんが、すべての選択肢を示したところ、C子さんは「命が助かる可能性が少しでもあるなら、胎児治療を受けさせたい」と申し出て、院内の倫理委員会からも了承を得た。 C子さんは6月下旬、手術を受けた。胎児を開胸する本格的な胎児手術は国内初。手術自体は40分ほどで終わった。しかし、手術翌日、心臓機能が悪くなり、帝王切開で出産。その翌日、亡くなった。既に心不全が進んでいたのが原因だ。 C子さんは「七海は1日しか体外で生きられなかったけど、出産後に抱くことができたので悔いはない。もっと胎児治療が進歩して、赤ちゃんの命を救ってほしい」と話す。 日本の胎児治療は、まだ試行錯誤の段階だ。胎児を子宮外に出して行う手術は、この後も行われていない。一方、欧米では、七海ちゃんのような胎児腫瘍の手術が広く行われている。 胎児治療は先天的な重い病気を根本的に治す治療法として期待は大きい。日本も研究に力を入れる必要がある。(坂上博) 現状と将来 日本では2004年11月、産科医や小児外科医らが集まり、日本胎児治療学会(http://fetus.umin.jp/)を設立した。米国のNIH(国立衛生研究所)は、「胎児治療は2020年までに日常診療になる」と予測している。
by maron415
| 2006-11-18 11:50
| 天使ママ お産 関連
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